やっぱり単純集計って大事だよね、っていう話〜組織解散の危機を救ってくれてありがとう〜

お久しぶりです。なびなびです。

本業が忙しくなってしまい、ずいぶんと長いことブログを放置していました。

最近、本業の方で環境変化があり、言語化しておきたいことがあったので、重い腰を上げて投稿してみました。

データドリブンでない企業の分析組織で苦しんでいる方や、そういった組織向けのコンサルティングを行っている方向けの内容かと思います。

アウトライン

  • データドリブンでない現職では、「経営者を筆頭に会社全体のデータ分析に対するリテラシーが高くない」、という課題がある。
  • 現職にて、何度かデータ分析組織解散の危機に遭遇したが、何とか生き延びることができている。組織が存続できているのは、「複雑な分析手法で示した利益改善効果」ではなく、「シンプルな集計で示した課題提起」のお陰。
  • だって、我々を信用していない相手は「我々の主張が間違っている」という前提で我々を評価しているんだもの。ロジックが難しいほど、我々を信用しない理由を増やしてしまうので、受け入れられない可能性が高まる。
  • 信用されていない相手に対しては、「疑いようもない事実」を突きつけて、信用を勝ち取ることが大事。厄介なことに、ある主張を「疑うようもない事実」と感じるか「推測」と感じるかは、相手に依存するので、注意が必要。

データ分析組織解散の危機、再び

以前、「データ分析組織解散に抗って学んだこと」という記事で、所属していた分析組織が解散したという話をさせていただきました。

その後、人事上、組織は解散してしまったのですが、新しく就任した部門トップと直談判し、規模を縮小して分析活動を続けることができていました。

新しい環境では、少ない予算ながら自由にやらせてもらって満足していたのですが、またしても部門トップが交代することになり、再び、分析組織解散の危機に陥ったのでした。

シンプルな分析結果に助けられる

今回の分析組織解散の危機では生き延びる自信がありました。
なぜなら、今回は、データ分析を用いたソリューションのプロトタイプを開発し、過去データを使ってそこそこ大きな利益改善額が見込めることを立証できていたからです。
新しく就任したばかりのトップとしては、早く利益貢献できる成果が欲しいでしょうから、そのチャンスをみすみす逃すことはないのでは、と期待しました。

そして、新しい部門トップとの面談を迎えます。

自信に反して、データ分析ソリューションについては、それほどポジティブな反応が得られませんでした。
理由は、「分析の前提やプロセスが信用できない」というものでした。
前提は極力わかりやすく妥当なものを設定しているのですが、それでも「ブラックボックスの分析手法」を使っている以上、完全に疑う余地を拭い去ることはできなかったのです。

一方、ソリューションを開発するにあたって実施した、事業課題の定量分析の結果に対しては、非常にポジティブな反応をもらえました。
理由は、「疑う余地の無い事実」だからです。

ここまで説明して、ようやくこれまでの活動(開発したソリューションをビジネス実装することも含む)を継続することにポジティブな反応を示してくれたのでした。

よくよく考えれば当然の反応で、部門トップ自身が自分の言葉で説明できない内容だと、さらに上の上長に説明できないですから、データ分析ソリューションの話だけでは納得しかねた、ということだと思います。
一方、事業課題の定量分析については、部門トップからも説明しやすい内容でしょうし、それによって彼/彼女の信用も増すということで、ポジティブな反応を示してくれたのだと思います。

教訓

この話で得た教訓は、

  • 信用されていない相手に対しては、「疑いようの無い事実」を突きつけることによって、信用を獲得すべきである
  • 「疑いようの無い事実」と感じるかどうかは、相手に依存する
  • 信用されていない&リテラシーが高くない相手には、高度な分析は避けて、なるべくシンプルな集計レベルの分析に落とし込むように努力すべきである

ということです。

何もデータサイエンスに限った話ではないと思います。
思い返すと、私の前職のコンサルでも、「新人コンサルがクライアントやマネジャーの信頼を得るためには、疑いようのない事実を突きつけることである」と言われていました。

前回の組織解散危機で憂き目にあった反省から、利益貢献額の大きさをKGIとして、データ分析を用いたソリューションのプロトタイプを開発を進めていました。
しかし、今回の件で、より上流の事業戦略に寄与する集計レベルの分析結果を提供することで経営者の信頼を獲得することを意識した方がよいと感じたため、今後はやり方を変えてみようと思いました。

この記事を書いた理由

なぜ、今更こんなN番煎じの記事を書いたのかというと、データドリブンでない企業が、データ活用を進める際に、この辺の観点が抜け落ちているがために、取り組みが進まないケースが多いのではないか、と思ったからです。

例えば、以下のようなアンチパターンがあると思います。(フィクションです)

  • コンサルに入ってもらって、ハイレベルなロードマップ策定のフェーズでは価値を出してらったのだが、具体的な案件の構想の段階では、本質をとらえたものが出て来なかった。結果、目に見える成果が出ず、経営者からの信頼を失い、DX部門のトップが交代した。
  • ベンダーから便利な分析ツールの提案を受けて導入してみた。確かに便利なのだが、ツールが解決できる課題が小さく、費用対効果に見合わないことが分かり、解約に至った。無駄な支出をしていると、経営者の信頼を失った。
  • DX部門のトップがころころ変わるので、DX部門のコミットメントの信ぴょう性が低下した(来年には違うことを言っている可能性があるので)。結果、事業現場からの協力が得られず、もはやDXなんて進められる状況ではなくなった。

このようなアンチパターンを断ち切り、組織が繁栄するためには、結局のところ、人事権を持った経営者が「疑う余地もない」と感じる成果を出すしかないのだと思います。

分析によるソリューションをビジネスに導入して結果を出すことができれば、それに越したことはありません。
しかし、ビジネス導入にはリスクやコストが伴いますし、導入後、成果を確認するまでに時間がかかってしまうので、「疑う余地もない」成果を出すには、ハードルが高めです。

一方、「事業課題の定量分析」は、スモールに取り組みやすく、かつ、経営者レベルでも興味関心を持つ課題であるため、取り組む意義が大きそうです。
特に現職では、そこそこの大企業にも関わらず、「事業課題の定量分析」が十分になされておらず、ホワイトスペースと化していました。

「事業課題の定量分析」では、機械学習やAIといった最先端のテクノロジーは使わないものの、勇気をもって難しい手法を使わないことで、現状を打破できるかもしれません。

最後に

どう転ぶか分かりませんが、下半期はこんな方針で頑張ってみようかと思います。

ではでは~。

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